2022年下半期作品集と、2023年の挑戦
今年は技術的チャレンジの年でした。
あっという間の1年でした。今年はおかげさまで多くのオーダーを頂戴しましたが、なかなか製作が捗らず、お待ち頂いた(頂いてる)皆様にはご迷惑お掛け致しました。辛くなるほど自分を追い込むことなくマイペースに続けさせて頂いておりますが、そんな中でもご依頼を頂いたり、新たなご縁が生まれたりと本当に有難いこ1年でした。2023年はそれに甘んじることなく励んで参ります。
また今年は、技術的に様々なチャレンジをした1年でもありました。特に、感度を向上させるための構造や配置、マルチピース化と性能向上の両立、新たなガイドセッティング、継ぎ目の強度や曲がりの向上、などは自分の竿やオーダー竿で色々と研究・実践させて頂きました。その過程で新たなご縁も生まれ、大変充実したビルドライフでした。まだまだ不勉強ではありますが、これからも竿のことをもっと知りたいなと、知的好奇心に溢れる日々です。
2023年に向けて新たなチャレンジ!
2022年の〆は、2023年の活動に向けて作業場のリニューアルを行いました。ビルダーとして私自身が自覚している弱点として、仕上げのクオリティが挙げられます。もともと不器用を絵に描いたような人間なのですが、足りない部分は練習と環境と道具で補おう(特に最後が重要)と考えています。
恥ずかしながら、これまではスレッドコーティングはスペースの都合、廊下で地べたでやっていました(-_-;) 冬は廊下にヒーターをガンガンかけて温度を保ちつつ、寝そべりながら手元を固定していました。それが2023年からは机上でワンピースも塗れるのです。また年内にはラッパーを導入する予定で、少しでもスピードと品質を高められればと思います。
とはいえ、フルカスタムで仕上げられる本数は今年よりさらに減るかもしれません。なぜならいくつか新しい試みを行っておりまして…
本業のワークスタイルもこれから数年間で見直していく計画であり、それと並行してロッドビルドもより本格的にしていきたい2023年です。あとは、もっと釣り自体を深めていかないといけませんね。結局はそこがないと、竿づくりも頭打ちになると感じています。逆に言えば、深めていける事柄が無限にあり、終わりのない究極に面白い探求であり、本当に良い趣味を得られたなと改めて感じます。これまでお世話になった方々、そしてこれからお世話になる方々、どうぞ宜しくお願い申し上げます。m(__)m
最後に(というかここからがめちゃ長い)、2022年下半期で製作した竿をまとめて掲載いたします。明らかに複数ブログに分けるべき量ですが、すいません暇な時にお付き合いください。
2022年下半期作品集
アンダー14gパックロッド
パックロッドでありながら、スクリュー付きルアーロッドとしては世界最軽量クラスだと思います。こちらは個別記事にて解説しております。
息子(6)の初竿。ウルトラ鱒レンジャー49ULM
最近は息子も少し釣りに興味を持ち始め、こいつがハマれば釣りに行く口実ができる釣りの楽しさを存分に味わってもらいたいなと、一振り作ってあげることに。はっきり言って大人のような力はなく、また扱いは雑なので、竿としてだけでなくモノとしての耐久性が高いことは必須。かつ手にしたらそれで何でも釣りたいはずなので、汎用性も必要です。釣りやすい魚種として、例えばアジング。感度が十分で、ジグ単が飛ばせる柔軟性。例えば鯉。パワフルな引きに耐えられるバットパワーとグリップ。このあたりが共存できれば、身近な魚を全てを楽しんでもらえるような竿になります。デザインはどんなのがいい?と聞いたら、ピカピカがいいとのこと。ラメや発光ギミックが入った靴をほしがる年代ですからね。というわけで、オーダーを抱えているため時短は意識しつつ、本気の竿づくり。
スペックは全長4ft9in 自重69g 適合0.5-14g。ベースはみんな大好き鱒レンジャー。子どもの身長にとっては適切な長さで、ゆったりした曲がりはキャストのタイミングを掴みやすいです。何よりちょっとやそっとでは折れないのが魅力です。しかし如何せんダルく、また曲がり過ぎてしまいキャスト時に背中を釣りそうになって危険なのです。感度も悪く、大物にはノされます。これでは釣りが楽しくならないので、大幅に改修しました。見た目にはこれが鱒レンジャーとわからないかと思います。
ブランクを少しカットし、NFC製の高反発グラスチューブラーに並継ジョイントしています。飾り巻きも施し、リールシートに近づくにつれ剛性が大幅に高められています。これによりバットがしかりタメられるようになり、キャスト時の曲がり過ぎや収束ブレを抑制でき、また大型魚にも対応できます。そしてシート一体型のカーボンモノコックグリップは、腕力不足を両手キャストと脇挟みファイトで補ってくれます。この構造により、感度も大幅に向上。ジグ単アジングに耐えうる反響感度を得るに至りました。
コスメは希望に合わせ各所ギラギラ。クローム塗装の上にレーザー調顔料を吹き、スレッドは各ガイドバラバラ。ナットには本人の直筆のくるまの絵を転写しています。
足が高く、破損リスクの高いバットガイドには、REC製の形状記憶チタンフレームガイドCERECOILを採用しました。上画像の通り、思い切り曲げても復元する優れものです。セッティングはバットガイドをかなり離しています。これ、本人が体が強くなってしっかり竿を扱えるようになったら、1つガイドを増やす予定です。よりバットパワーを使えるセッティングに移行できるようになっています。
そして、エンド部分にはなんと小型LEDライトが仕込んであり、点灯するとブランクが光ります(笑)子どもが喜ぶギミックというのが勿論目的ですが、実は夜間の視認性向上、そして感度を向上させるバランサーの役割も果たしています。遊びで終わらないギミックです。
渡したらめちゃくちゃ喜んでいましたが、早速持って部屋を走り回りぶつけまくっていたので、鱒レンブランクとRECガイドを採用してよかったと思っています。無事にブラックバスで鱗付けも完了しましたが、そこまで釣りにハマる様子はありません(-_-;) まぁ時々一緒に行くときは活躍していますし、私自身この竿を組むことで勉強になった点が多かったです。それらは次の竿にも活きていきます。
14モード可変 白震斬脇刀
スピニングのアジングから、ベイトのショアロックフィッシュまで、1セットで出来る白震斬ベースのパックロッド。こちらは個別記事にて。
GARMS A6201X custom -type 羽衣ララ-
今年のハイライトの一振りといえる、仲良しのナマズハンターN氏が長年使い込んできたARMS A6201Xのカスタム。A6201Xは細身高弾性のいわゆるベイトフィネス竿です。氏はこの竿でバズベイトを駆使し、関東で大型のマナマズ、アメナマを仕留めまくってきた異端のハンターです。ナマズゲームにおいては決してパワフルとは言えない竿を曲げきって能力を引き出す技術は脱帽もの。そしてご要望は、ビワコオオナマズをこの竿で仕留められるようにすること。具体的には、①新幹線移動で不便がない程度にマルチピース化、②限界ファイトで竿が笑うことがあり、それを解消すること、③タメを効かせたファイトができるグリップの長さと形状、④軽さと強度を損なわないままパワーアップ、です。マルチピース化しながら、軽さ、強度、パワーを高めるという命題。果たしてそんなことが可能なのか。私はぜひチャレンジしたいと思いました。
加えて、氏の愛するプリキュア、羽衣ララ(キュアミルキー)をモチーフにしようということで、デザインにも思い切り手をつけることになりました。ブランク全塗装・・・更に条件を満たすハードルが上がります。しかしこの時点である程度の構想は見えており、ついでに感度すらアップ可能だと私は考えました。そして試行錯誤の後、羽衣ララの生誕釣行に合わせ完成させました。
まず携行性アップとパワーアップの命題は、中弾性ブランクを配した並継バットジョイント化することでクリアしました。バット部の肉厚が薄くなり、また手元重心になることで軽快感も落としません。様々な市販竿の端材を試し、曲がりの違和感がなく、かつ強度やパワーが得られるバランスを追求しました。結果的に選んだのはEG社のエギングロッドのバット部でした。イメージからすると意外な組み合わせかもしれませんが、適度な肉厚としなやかさがありました。バットジョイント化に合わせてグリップは全バラして改修。メガバス自慢のグリップ内部構造をあえてやり直し、複数のカーボンパイプを組み合わせて軽量化、感度向上、負荷分散を実現。リアグリップの延長分と塗装分を除けば、純正より軽量化できており、しかもボトム感度は大幅に向上しています。グリップは末広がりの超ロング仕様。中間グリップのデザインはキュアミルキーのスカート風、リアグリップは「Milky」の文字をタコ糸でつくり、グリーンの収縮チューブでカバー。怪魚ファイトをミルキーが支えてくれます(笑)
ブランクはグリーンパール塗装でキュアミルキー色に。この塗装は多層塗装になり、そこそこの厚みを持ちます。これによりブランクにいわゆる「トルク感」がプラスされます。一方、それに伴うダルさを解消するため、ガイドはチタントルザイト化。少しでもガイドは軽くしたく、また曲がりは阻害したくないため、ラッピングだけしっかり行いシングルフットを積極採用。ぶつけたりする場合の耐久性はダブルフットが優れていますが、多点化しているため1つ1つの負荷は分散されており、魚とのファイトにおいては強度も問題ないと判断しました。竿の笑い対策としては、ジョイント部周りで一気にスパイラルさせています。これらの施策で、A6201Xブランクのパワーを余すことなく引き出すことを図りました。
半年ほど使い込んでいただき、現在は微調整のため帰ってきております。狙いは概ね実現されていたようで、非常に喜んで頂き、大鯰を何本も上げておられました。また副次効果として、バラしが大幅に減ったことと、感度がうるさいくらいになったとのこと(笑)マルチピース化による性能アップ、これは2022年のテーマであったので、うまく表現できて何よりでした。見た目はキワモノ、でも中身はホンモノ。これですよ!
しかしこのカスタムは、氏のA6201Xだからできたカスタムでもあります。カスタム前の時点で、惚れ惚れするような使い込まれ方をしていました。良い状態を保ちながらも腰がいい感じに抜けて「育った」ブランクになっていました。この育ち具合ありきで設計したものであり、仮に同じカスタムを新品に施しても同じものはできません。こういうカスタムをさせて頂けるのは本当に嬉しいことです。
アウターリングガイドシステムO.R.G.S.搭載ベイトエリアロッド
アウターリング方式による新しいスパイラルガイドセッティングを考えました。これを利用した20g台のぶっ飛びエリアロッドです。O.R.G.S.解説とともに個別記事にて。
ワールドシャウラ1651FF-3のスパイラル化
スパイラル部はストローHD-DIVの発想を採用(パクり)しつつ、極端に竿の性格を変えないようにふつうの多点セッティング程度で仕上げ。スレッドはこっそり旧赤風にしています。オーナー様からはもう1本ご依頼頂いているので2023年頑張ります(-_-;)
カワスペESSの6ピース化
リピーター様のご依頼です。カワスペESSをマルチピース化したいということで、4ピースか6ピースか協議の上、どうせなら6ピースだろうということになりました。またグリップはハートランドに多いリールシート割れが発生していたため、新規製作となりました。(透けるシートは本当にカッコいいのですが、靭性に難ありですよね…。)
しかし結構苦戦して時間がかかってしまいました。結局継ぎは4回くらいやり直して完成。長さが不揃いなのは試行錯誤の跡です。まだまだ修行不足ですね^^; スリーブジョイントと印籠継を使い分けて曲がりはバッチリ。元々の美点であるしなやかさを残した調子にしています。シート周りは少し凝った内部構造になっており、感度を落とさない工夫をしています。
別誂常吉の補修&アップデート
名竿、別誂常吉スペシャルの穂先折れ&玉口のヒビ割れの補修でした。そのままの味がお好きということで、基本的には純正になるべく近い状態への復元という形でした。そのためガイドセッテイングなどには手を付けませんでしたが、せっかくなので少し尖った高弾性ソリッドを継いで、純正よりわずかに繊細かつ攻撃的に仕上げてみました。しかし見た目や使用感でカスタム竿だとは気づかれないように仕上げたつもりです。玉口はヒビがまだ重症ではなかったので、スレッドによる補強で対応しました。
702MXH+ SEVEN-GAU
SNSで知り合い、色々と良くして頂いているS氏。特撮好きという共通点から、特撮モチーフの竿を何本か組むことになっています。その第一弾が、ウルトラマンZで人気を博した特空機セブンガーをモチーフに製作したハタ系ロッドです。
ブランクは「なにか面白いやつ」ということで、ノースフォークの超高弾性カーボン+グラスティップのMB765-1 X-ray NEO。唯一無二のテイストを持ったブランクです。ティップはグラスコンポジットの柔軟さを持ち、ベリーからはパワフルな太径ムキムキという二面性を持ちます。この癖のあるブランクをしっかり曲げきれるよう、大径ガイドをシングル・ダブルフット混合で多点配置。携行性も考慮してセンターカット2ピース化しています。
デザイン面では、セブンガーの鋳造風塗装を施した異形フルカーボンモノコックのグリップに、セブンガーの関節をイメージした収縮チューブを配置。硬さによる疲労を軽減してくれます。副次効果で感度もそれなりのレベルです。またセブンガーの愛らしい顔を普段見えないフォア部に配置。さりげなく癒やしてくれます。
陸っぱりのキジハタ、ボートのオオモンハタを一本でこなす癖のある竿、という依頼のため、異形延長グリップを制作しました。これはセブンガーの武器である超硬芯回転鉄拳に見立てたものでもあります。延長機能がありながら、延長してもフルカーボンモノコックのままという特殊構造で、陸っぱり7ftモードからボート7ft4inモードに可変します。
小技小物カスタム渓流ベイト
リピーター様より渓流用ということでご依頼頂き、大変お待たせ致しました(-_-;)
硬調140ベース、仕舞寸24cm・4ft4in。今回は打合せの上でかなり詳細なデザイン案を提示頂きました。
ハイライトは依頼主様の手型カーボングリップ。おゆまるでとった手型を再度シリコンで型取りし、硬質発泡ウレタンで複製。それにカーボンを貼り付けて締め上げました。
渓流での破損リスクを軽減し、調子を最適化したチタン穂先。無段階可変長のグリップ、スタビウッド等でネオトラディショナルな一振り。グリップ周りのALPSリールシートやチタンパイプはご提供頂いたものでしたが、チタンはやはり焼き色を入れられるのがいいですね。
小技小物カスタム派手派手超小継ベイトフィネス
バス中心にベイトフィネス用途、見た目はとにく派手にということでおおまかなデザイン案も頂き、それをベースにまとめてみました。
仕舞22cmをキープしつつ、ピース追加により全長は5ft1inまで延長。レジンウッド、鮑2色、スレッド、マジョーラ顔料×3色使用。スケスケの鮑ダイヤモンドラップがエッチです。
性能面では1/16〜3/4ozまで対応の高感度ショートチタンティップ等採用。
なお本作品で私の小技小物超硬ブランクは在庫切れ(アフター用に数セットはあり)で、メーカー在庫も尽きたため最後の小技小物カスタムとなりました。オーナー様には大変大切に使って頂いていて、お待たせは致しましたが嬉しい限りです。
ツララポルタメント200Sのロンググリップ
操作性の高い純正状態と、ボートジギングモードの可変を実現。長さに合わせて張りと重量の調整済。細くても張りを出すため、50t高弾性ブランクを2重で使用。見た目はご意向を反映しシンプルに。
自分用名無し15ピース可変ライトゲームパックロッド
オーダーが追い付いていない中ですが、自分用の竿も少しだけ組ませて頂きました。もう自分用は、時短で組めて、かつ材料は端材で大体済ませ、そして何かしらの新しい試みがあることを条件にしています。なので見た目は適当ですが、今回は感度設計だけ拘って組むことにしました。ちょうど中華製の仕舞26cmパックロッドブランクを入手しており、これが価格のわりに出来が悪くなかったのでこれをベースにしました。リフティングパワーはさすがに値段なりですが、2セット買って挿し換えできるくらいの精度はあり、また曲げ込んでも不安感はありません。オール並継なのもgood。ということで、挿し替えによってモードを変えられる仕舞26cmパックロッドに仕上げました。
画像にありませんが、チタンとカーボンソリッドの2ティップ式になっており、両方で反響ピークの位置が握りこむ部分にくるよう調整しています。レングスは挿し替えにより3モードに可変します。
5ft1inアジ鱒モード:適当すぎて恥ずかしいですが、フロントフードはカーボン成形、リアはフードレスで妥協のテープ止め。ただしカーボンモノコックグリップの端材を使ったグリップは、握りやすさとあたりの取りやすさには拘り、重量は19.6gとアンダー20g達成。ガイドセッティングはORGS(過去記事参照)で、時間と気力があればトリガーをつける予定。ベイトタックルの利点を生かしたレスポンス重視のセッティングです。
6ftアジ鱒モード②:準備中。パワー的にも長さ的にも私の環境における中核的な仕様。こちらはトリガー&フードをちゃんとつけて28gくらいになる予定です。
7ft4inメバルモード:かなりのバットパワーがありますが、プラグで潮を感じながら流していくのが気持ち良い。セッティングです。重量は64.8gで、グリップ内の構造だけ色々と新しいことを試しました。ほとんど隠れてわからない部分ですが、感度は反響感度、潮感度ともに市販ワンピース竿を超えています。エンドグリップはワインコルクでちょっと手抜きオサレしています。
71XH-4 'EGAUST’
最後にもう1本、自分用のを。最初の狙いは、70Hクラスの最軽量ロッドを作るというチャレンジでした。ところが、アテにしていた某ブランクが円安で超セレブ価格に。やむなく代わりを探していた時に見つけたブランクが、予想以上にパワフルかつ面白いアクションだったため、それを活かしながらいくつかの技術的チャレンジを行う竿として路線変更しました。選んだのはNFCの逆並継50tフライブランクであるFAF9010-4です。これを利用すれば、超高弾性肉厚スローアクションで往年の名竿であるテムジン「エゴイスト」の現代版マルチピースが作れそうだと感じ、やってみることにしました。後述する継部の複雑な構造、及びグリップ周りのコスメ等に重量を割いたことで、そこまで軽くはなりませんでしたが、それでも肉厚の仕舞寸57cm4ピース、71XHで約81gとなっています。
元々は逆並継だったブランクを、上画像のような方法で印籠継に魔改造しています。これでしっかり曲がりと強度が出せるかという挑戦です。もちろん理由もあり、元がフライ用ブランクでさすがにスローアクションすぎること、継ぎ目の補強が強すぎて無駄であること、仕舞寸を60cmにしたかったことが挙げられます。結果として、XHクラスでもバットまで細身で抜群の振り抜きを持ち、全体の反発力が強く穂先ははっきりと硬いものの、負荷がかかるとバットまで曲がりこむという旧テムジンエゴイストの切れ味をリスペクトできました。バランサーなしで、反響感度は市販品に比して最高水準だと思います。ワイヤーベイトを中心とした、撃ちもの巻きものバーサタイル竿です。
竿全体で負荷を受け止めるため、ガイドはバット付近まで小径シングルフットで問題ないと判断。太スレッドシングルラッピングに薄マジョーラコートで軽量・高強度・デザインを両立しています。スパインが強いブランクのため、ガイドはスパイン上に配置しキャスト時はブレを抑え、ファイト時のブレはスパイラルセッティングで対処する狙い。ORGSも搭載しています。
リールシートはパイプ型でなくシート型のフジTC-NS(中古)をカット&肉抜きして搭載。トリガーはLNガイドを骨組みとしたカーボンロービングによる中空成形。軽いだけでなく、根元がくびれることで細いグリップ周りでもきれいに握り込めます。さすがに見た目が殺風景なので、握り部には滑り止めも兼ねて銅着色紙を貼り付けています。
大変長くなりましたが、以上です。ご覧頂きました皆様、来年も良い釣りを!
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