風情だけ?ベイトエリアトラウトにメリットはあるのか。マニアック考察とおすすめセッティング

2020年12月21日リール

先に私の結論を書きます。「現代の進化したベイトタックルなら、メリットは確実に存在する」です。ここでは飛ぶ飛ばないだけでなく、かなりマニアックな部分でベイトタックルが持つ管釣りトラウト用リールとしてのメリット・デメリット、私なりおすすめのタックル構成、カスタムポイントなどをご紹介します。

エリアトラウト用自作ベイトタックル

ほんの数年前まではただの酔狂だった

普段ほとんどの釣りをベイトタックルで行う私は、もちろん管釣りにもベイトタックルを持ち込みます。初めはどちらかというと、道具のカッコよさ、酔狂、リールの性能研究という観点から行っていたものです。少なくともキャスティングにおいては、我慢が確実にありました。それをいかに打破するかというタックルのカスタム大会という側面も大きかったです。社外スプールを中心に、弄ってナンボ、勝負はそこから、な酔狂だったと思います。

アンバサダー2601C IAR
最初期のリールは、アンバサダー2601Cをフルカスタム。遊びだからカッコいい道具でやりたい。それが一番大事。

キャスト性能を中心に、吊るしで不足のない時代に

ところが、シマノの16アルデバランBFSから徐々に流れが変わります。メーカー純正で小径極軽量スプール、巻取速度を補うXGギア、低粘度オイル、小径ベアリング、滑らかなドラグ性能、超軽量ボディ、そしてドラグクラッカーが採用され始めます。アブからはLTX、ダイワからはアルファスストリームカスタムが発表され、ベイトフィネスは戦国時代に突入します。そして2020年現在、スティーズAIR、アルファスAIRの登場により、ついにベイトリールは「吊るしで1gが快適に投げられる」レベルに到達しました。

ダイワHPよりスティーズAIR。色んなアレに見える顔とドラグクリッカー無しは頂けないが。

ロッドもそれに合わせて選択肢がかなり増えてきました。ちょっと前まで1gキャストといえばそれだけで注目される話でしたが、今や普通にキャストができる人なら誰しもが1gをスピニングに迫る飛距離でバックラッシュなく飛ばせます。

というわけでベイトリールは管釣りでも普通に使えるリールになりました……では終わりません。スピニングとの構造的な違いは、いくつかのメリットデメリットを生み出しています。私の場合ふつうの人と逆で、ふだんベイトばかり使って時々スピニングを使い、「あ〜」と違いに気づきます。普段スピニングで、ベイトだとちょっと飛ばないけどまぁ使えるよね。じゃなくて、スピニングに持ち替えた時に「あれ?これベイトよりやりにくい」という点が見えたりします。そんな視点で、メリットデメリットを書き出してみましょう。


メリット①リール自体の巻き感度が良い

まず最大のメリットだと思っているのがこれです。ラインの巻取り方向とハンドルの巻取り方向が同じで、余計な機構をほとんど挟まずノブまで繋がった構造。これがスピニングにはない「巻きの軽さ」と「振動伝達のクリアさ」をもたらします。スピニングではベイルアームの撓みが僅かに振動を吸収したり、構造的にどうしても巻きが重く、軽巻きチューンでもベイトにはなかなか及びません。更に、リールボディ自体を握る持ち方も相まって、リールに伝わってくる情報量はベイトが圧倒的に多いのです。ノブを握る指とパーミングする掌に、ガツッ、とか、フッ、とか伝わってきます。もちろんアタリはとりやすいですし、手にダイレクトに伝わる感触は興奮度を高めてくれます。

メリット②手返しの速さ

回収してから次のキャストまでの動作は、クラッチを押すだけ。極めて手返しが良いです。上手い人ならスピニングでも速いですが、特にショートキャストを繰り返す小規模エリアだとかなり差が出てきます。あとはミノー等による威嚇の釣り。怒らせた魚を追いつめていくのにはかなりの武器です。

メリット③タックルの軽量化

スピニングリールも軽量化が進み、19ヴァンキッシュではC2000Sで145gという極軽量を実現しています。しかしベイトリールはその更に上をいき、16アルデバランBFSで130g、スティーズAIRで135gです。まだ軽量化の余力はあり、タックル全体の重量でいえば、限界まで追い込んだ時の軽さについてはベイトの勝ちでしょう。軽ければいいわけではありませんが、とりわけ繊細な方向に進み、ロッドパワーはあまり求められない管理釣り場というフィールド特性にとって軽さは基本的にメリットです。

メリット④キャスト精度

主に渓流型の管理釣り場の話ですが、よく言われるキャスト精度の高さですね。これはやはりベイトの方が楽にピン打ちできます。通常のポンド型釣り場でも、②の威嚇釣りなど魚やストラクチャーのピンを打つ場面では強みになります。まぁ渓流に比べたら限定的ではありますが。

メリット⑤フォールバイト、着水バイトの取りやすさ・縦釣りでの強み

きちんとしたセッティングの出たリールという大前提ですが、ベイトリールはフリーフォールとラインの止め(クラッチ返しか親指押さえ)が一瞬で切り替えられます。これによりフォールバイトや着水バイトを拾いやすく、縦釣りなどラインを送り込むような釣りがやりやすいです。

メリット⑥糸フケ、糸ヨレが少ない

キャスト時にラインがまっすぐ出ていくので、糸フケが少ないです。実はベイトって決して風に弱いわけではありません。糸フケによるトラブルの面でいえばスピニングより優秀です。ただスピニングも上手い人はフェザリングしてるので、デメリットにはなっていないとも言えます。

糸ヨレについてはベイトの圧勝です。ライトラインでもヨレによる強度低下を心配することはありません。

メリット⑦ロングリーダーによる微調整

ノットを巻き込んでも飛距離が落ちにくいので、PEセッティングの場合は数mのロングリーダーが使えます。根ズレはほとんどの場合気にすることはありませんが、長さと材質を細かく使い分けることで、よりスプーンゲームを深く楽しめます。またその時のコスパが良いです。詳しくは後述します。

メリット⑧重心位置によるフッキングレスポンス

ベイトリールの場合、リール自体を握って保持するため、手の中に重心が収まります。これにより手首を返すだけで素早く少ない力で竿を立てることができます。(物理用語でいうと、慣性モーメントが小さい、ということです。)違和感を感じた瞬間に即掛ける、攻撃的なスタイルでの一瞬のフッキングレスポンスを高めてくれます。掛けが必要な場面はエリアだと限られますが、一つのアドバンテージといえるでしょう。

勝手に尊敬している某変態(褒め言葉)さんが、私では言語が出来なかったところを見事に説明されていたので引用します。

デメリット①マイクロスプーンの遠投と強い逆風対応は辛い ※ただし…

もちろんデメリットもあります。これらを把握しどう克服するか、どう使い分けるかは大事なことです。

まず通常時の飛距離においては、今やそこまで変わりません。たまに聞く、スピニングより飛ぶ!は「そういう場合もある」というところであまり信用していませんが、現行AIR系リールで適切なセッティングができていれば、スピニングに比較しても不足はないはずです。前述の通り、スピニングに対して必ずしも風に弱いわけでもありません。

ただし、0.6gとかのマイクロスプーン使いたいけど逆風が強い、といったシチュエーションは苦手です。少しでも低弾道で飛ばしたくても隣客がいるので、サイドキャストはできずしゃがみ込んでキャストとかよくあります(笑)

しかし、こういう状況だとスピニングでも厳しいです。飛ばすだけならいくらかベイトよりマシですが、糸フケが多い分ライントラブルも起きやすくなるので、糸フケを抑えられる上手い人ならスピニングの方が強い、という状況です。

そしてとにかくマイクロスプーンで遠投!という時もスピニングが強いのが事実。こういう時は素直にスピニングを使うか、敢えてベイトでやるならロングロッドという選択肢もあります。以前フィッシュマンのインテ7.9ULを持ち込んだことがありますが、なかなかの飛距離が得られました。ベイトタックルも使い分けが大事、という考え方になれば今や克服できないデメリットではありません。

※2022.3追記 ショートロッドでもスピニングと同等以上の飛距離を出せるセッティングが見つかりつつあります。こうなると糸フケの少なさから逆風下でもベイト有利といえるレベルまで到達します。

デメリット②ロッド感度、リール保持の仕方の違い

スピニングの場合、指をリールフットにかけるだけで力を入れずに竿を保持できます。よくエキスパートっぽい人がやってる射撃のようなスタイル、あのロッドを高い位置で保持し、ほとんど力を入れず掌に竿を乗せるだけのような持ち方です。ロッド・ライン・水面の適度な角度を作りながらそれぞれからの情報を感じとり、魚に違和感を与えず、かつ素早くフッキングに持ち込むための動作です。あれがベイトだと少し不安定です。スピニングと違い重心が竿の上にあり、かつリールを直接握らないといけず、握る位置もリールのバット側から抱え込むようになってしまうからです。このような構造から、感度面でもロッドから拾える情報量はスピニングに分があるといえます。力を抜くことが必ずしも正義ではないものの、デメリットといえるでしょう。

いつものひどい絵。赤がリールの重心。ベイトは竿の上に重心がきてしまう。なんならガイドも上。
左右方向の重心。スピニングはセンター付近にくるが、ベイトは重いギアとハンドルが片側に集中してしまいバランスが悪い
前後バランスもベイトは不利。スピニングはリール重心の上ちかくを握れるが、ベイトは後ろから抱え込むように持つため、掌に重心を収めにくい。
スピニングタックルの持ち方
スピニングだとこれだけ力を抜いても安定する。トリガーをどの指に挟むかで前後バランスも変えられる。
ベイトタックルの持ち方
ベイトだと同じように持てない。安定せず、フッキングなどの動作にも素早く移れない。ベイトはベイトなりの持ち方が必要。ただこれはグリップ形状で解決できる部分も多いと思っており、さらに進化が必要ですね。

デメリット③ドラグ機構の違い

ベイトリールのドラグはかなり進化しています。出方のスムーズさ、粘り感、クリック音など、実用に十分なレベルです。特に最近のダイワATD、UTDモデルであれば昔のようなクラッチファイトはもはや管釣りレベルなら不要でしょう。

ただし、スピニングとの構造的な違いはあります。スピニングの場合はドラグを出しながら巻くことができ、魚に負荷をかけつつ寄せてくることができます。ベイトの場合はドラグシステムと巻取り機構が一体化しているため、ドラグを出しながら巻くのが苦手です。できないわけではありませんが、魚にプレッシャーをかけていくようなドラグの使い方は不得意です。

デメリット④ベイトのメリットを使いきれない

管釣りはどうしてもベイトのメリットを活かしきれない部分があります。例えば、ラインを太くしても飛距離が落ちにくい点。そんなメリットがあっても管釣りでは細いラインを使うでしょう。

上のメリットに挙げたキャスト精度も、管釣りでは目立たない場面の方が多いかもしれません。低弾道で針の穴を通すようなキャストは基本不要で、渓流タイプならともかくポンドだと、狙ったトレースコースを通すための精度が求められることが多く、それはスピニングで特に遜色ない部分です。

これが天然の渓流だと上記メリットはフルに活かせるので、ベイトがむしろ有利なんですけどね。巻取りパワーもそんなに要りませんし、全体的にもったいない感はあります。

デメリット⑤ラインの張り付き

Twitterのフォロワーさんからご指摘いただきました。ラインによってはスピニングよりブランクへの張り付きが起きやすく、それによるバックラッシュが起こるとの事。たしかにガイドが基本上にあるので、ラインスラッグが出るとブランクに当たるんですよね。

https://twitter.com/bt1752r/status/1341230040860643328?s=21

メリットを活かし、デメリットを克服して十分対応できるってこと

と、特にデメリットを詳しめに書いたつもりですが、ご覧頂いてわかる通り十分に克服できます。もはや無理して使うようなタックルではなく、戦略の中に組み込んでいける選択肢の一つになっていると思います。苦手な部分をロッドやセッティングで補ったり、スピニングも併用したり、お好きな組み合わせで楽しめます。


どういうタックルがいいの?

最後に、どんなタックルがいいかをご紹介します。

<リール編>

これはもう2022年現在でしたらダイワAIR系が良いです。スティーズAIR、アルファスAIR、月下美人AIR、シルバークリークAIR等を予算や巻取速度によって選択もしくは使い分けが良いです。お金があるなら軽いスティーズを選ぶに越したことはないですが、アルファスもギア比の違い、ブレーキ設定のマイルドさ、ソルト対応などで差別化されています。更にはスプール径26mm(ただしスプールは重め)の月下美人やシルバークリーク。機種によってドラグクリッカーがないのが痛いところですが、パーツ流用や個人製作品、中華パーツを頼っても良いと思います。Twitterでお世話になっている方で何人かクリッカーを自作している方もおられます。それ以外は吊るしで基本不満はないと思います。

シマノ好きならアルデバランBFSも、22モデルで29mmスプールを獲得して追いつきました。私は試投させてもらった程度ですが、吊るしでは28mmAIR機より多少ピーキーさがありますものの、使いこなせばむしろ飛ばせるリールでもあるようです。

アブは意外と良いリールがあります。RevoのLTX-BF8と、ALC-BF7です。前者はマグネシウムボディで超軽量、後者はアルミボディですがそれでも141gと軽いです。ALCはしばらくメイン機として使っていました。さすがに造りは2社より荒い部分もありますが、設計思想やコスパは素晴らしく、純正スプールもそこそこ扱いやすいです。更にアベイルや中華スプールを入れると、固定マグの恩恵もあってかなり使いやすいです。

アブガルシアHPより ALC-BF7

※2022.12追記 ゼノンLTXも出ましたね!ロキサーニBF8もカスタム次第でイケると思います。

風情を求めるなら、アンバサダーの1500,2500系や、五十鈴のBC400番台、500番台をカスタムするのもOKです。金はかかりますが、同等のキャスタビリティは得られます。いずれもレベルワインド連動式なのですが、これが丁度いいブレーキになって非常に投げやすいので、初めて持つ方は驚かれます。ただしフリーフォールでラインが出ていきにくい点は注意です。重量的にも、2601Cがアベイルパーツフル盛りで200gを切る時代になりました。問題はどちらも入手しにくく、1601C、2601Cに至っては10万超えるようなプレミア価格になってしまっています。まだ安い時に買えてよかった…誰か私に2601Cエリート譲ってください()

2022.12追記: 近年は中華リールも性能を格段に上げてきています。特にkastkingのkestrel elite、そして廉価版のvaliant eagle2の2機種は、28mm径5.5gという国産真っ青のスプールを持っており、互角に戦える性能があります。

kestrel elite

kestrel eliteは実際に買ってみました。細かい部分の接着剤漏れや、メカニカルブレーキの設計、マグネットブレーキが強すぎること、各クリック音の小ささなど細かな難点もありますが、フレーム精度や造り込み、塗装などはしっかりしています。これでセール時16000円代。更に同じスプール&ブレーキのvaliant eagle2は1万円でお釣りが来ます。

あとは…ダイレクトリールという変態選択肢もあります(笑)

<おすすめセッティングカスタムポイント!>

ステキーズAIRカスタム
スティーズCTストリームカスタム!

◎固定マグがベター

上でAIR系をオススメしておきながら、私はスティーズCTをカスタムして使っています。スプールは中華製Roloスプール。なんと4.9gという異常な軽さも良いのですが、ローターが固定されている所がミソです。最長飛距離を求めたりフォール重視だと可変ブレーキもいいのですが、固定式はよりバックラッシュしにくく安定してキャストを繰り返せます。マイクロスプーンだと特に差が出るでしょう。可変ブレーキ系は極軽量ルアーのキャストではどうしてもローター等の移動が不安定になりがちなのです。ガチ勢はローターの固定、半固定などを試されてますね。

◎ハンドルはショートが吉

せっかくの巻き感度をフルに活かすには、ショートハンドルがおすすめです。大型魚ポンドでもゴリ巻きパワーが不足することはまずないので、短いハンドルで手首を使い繊細に巻くのが良いと感じます。上のCTはノーマルスプールで他の釣りにも使うので85mmありますが、他のアンバサダー等は70mmで組んでいます。現在は更に短いハンドルをテスト中です。

ベイトリール最軽量ハンドルを目指す
60mmチタン製中華ハンドルをぶった切り

◎メカニカルはなるべく使わずに

メカニカルでブレーキ調整してしまうと、糸が出ていかないのでフォール時のメリットが活かせません。なるべくゼロポジションが良いと思います。巻きの釣りのみであったり、メカニカルと相性が良いシマノ機などは多少効かせても良いでしょう。

◎PE30〜50m+ロングリーダー50cm〜5mで材質使い分け

スプールの軽さは投げやすさに直結します。大きく走られることはない(周りがいるので走らせられない)ので、ライン量は最小限で良いです。小規模ポンドなら30mあれば十分、広いところは50mって感じです。これを100m巻いちゃうと投げやすさが全く変わります。軽さと強度の面から、本線はPE一択というのが私の意見です。場所に合わせて無理のない範囲で細いものを使って下さい。小径スプールの弱点である巻きグセに対してもPEなら問題ありません。

一方、エリアゲームは状況によってラインの材質を使い分けます。そこでロングリーダーシステムが活躍します。私は最大で5m程度まで使います。リーダーを長くとると、水中に入っているラインはほぼリーダーだけになり、そのリーダー材質に応じた使用感を得られつつスプール重量を抑えられます。ナイロン、フロロどちらもOKです。エステルリーダーも試してはいませんが実験してみたいです。またリーダー自体の重量がシンカーの代わりを務めてくれ、マイクロスプーン等のキャストを助けてくれます。お財布にも優しいのでオススメです。

◎その他

各種社外スプールは、ダイワAIRの場合は「より極めたいならば」というところです。個人的には前述のようにKAHENスプールはわざわざ入れなくてもいいかな、と思っています。ベアリングやオイルのチューンはお好みで。私は結構純正で済ませてます。シマノ、アブでしたら社外スプールの導入を検討しつつ、KDWのオフセットクラッチが組めると更に宜しいですね。

<ロッド編>

ロッドについては、パックロッドばかり使っているせいもありますが正直ベストロッドに出会えていません。なので、もし自分で作るなら、という観点でいつか自作する時の設計資料になるよう記しておきます。

◎レングスはやや長め6.2〜6.6を基準に複数用意

ドラグ性能や飛距離を補うのに、やや長めでしっかり曲がる竿がいいと思います。長くすることによるダルさは、ベイトの操作性や感度でカバーできます。曲がりも楽しいですしね。ただそもそもスピニングと同じで、一本で全て賄うよりシステム化した方がベターです。近距離で掛けていく5ft後半、遠投に使う7ft中盤も用意できると理想です。

◎軽い力で保持できるリールシート。市販品で好みならACSで

竿の持ち方によるデメリットを小さくするため、力を入れずに保持しやすい形状が求められます。好みの分かれるシートですが、この点は市販品ですとACSが優れていると考えます。私は市販品以外でもう一つ別のアプローチも考えています。

FujiのHPより ACSリールシート

◎スパイラルガイド

色々なメリットがあるセッティングですが、エリアロッドにおいてはブランクにラインが触れにくいのでガイド数を無闇に増やさず済む、ブランクの重心が自然と下にいくため力を抜きやすい、柔らかいブランクの捩れを吸収してくれる、ラインのブランクへの張り付き防止、の4点が特にメリットです。

◎ローテーパー。材質やアクションは用途により。ティップは重めに

ボトム専用でない限りスピニングと同じくローテーパー(バットまでブランク径があまり変わらず細いまま)が良いでしょう。用途に合っていてパリパリすぎなければ、カーボン、グラス、ソリッド、どれも良いと思います。また逆にどれも良し悪しなので、使い分けたいところ。キモとしては、ティップの適度な重さだと考えています。ティップ自体の重みで竿を曲げていけると、マイクロスプーンのキャストが楽です。ダルくなりすぎない、ノリとカケの絶妙なバランスを突ければ。個人的にはバンブーブランク+チタンティップの組み合わせを構想しています。

※2022.3追記 超高弾性ローテーパーブランクとの出会いにより、このあたりの考察が大きく変わろうとしています。まとまったら改めて記事にしたいと思います。


長々と語りましたが、あくまで私なりの意見です。そもそも釣り上手くないですし、違う考え方もあると思います。ぜひ色々な考え方を教えて頂きたいです。

ベイト管釣りは楽しいですよ!