超小継テレスコによるロッドのコンパクト化を進めていますが、当然ながら釣りに必要なタックルは竿以外にも沢山あります。いつでも思い立った時に釣りができるような携行性を実現するには、それら全てをコンパクトかつ快適に収める、タックル全体のミニマル化が求められます。これから何回かに分けて、モバイルタックルに関する私の現在の考えをまとめていきましょう。まずはリール編です。

携行リールに求めるのは、汎用性・コンパクトさ・強度・メンテナンス性

携行に向いたリールを考えた時、大事なのはこの4点です。

まず汎用性ですが、なるべく少ないリールで多くの釣りをカバーできることが望ましいです。理想は1台で1gジグ単から30g級メタルジグまでカバーできるような…。すべてに80点以上は難しくても、60点程度は取れるリールであれば携行用としては優秀です。特に軽量方向への適性は大切だと考えています。旅先では小型のターゲットの方が出会いやすいからです。しかしとにかくリールは嵩張るので、極力台数を減らしたいのです。

コンパクトさが大事なのは、汎用性と同じ理由です。ボディはもちろんのこと、ハンドルやベイルアームなどの「突起物」がなるべく張り出さないことが求められます。

強度については、使用時だけでなく携行中の強度も必要になります。カバンに押し込むことになっても壊れにくいリールでなければ安心して持ち運ぶことはできません。

最後はメンテナンス性です。そもそもトラブルが起きにくいことは大前提ですが、それでも旅先で整備が必要になる場面はあり、あまり複雑な造りのリールは好ましくありません。

スピニングかベイトか

リールのタイプはスピニング、ベイトどちらが良いのでしょうか。

まずスピニングの利点は汎用性です。ライン放出の仕組みにより、1台で軽いものから重いものまである程度投げられます。軽量な2500〜3000番程度であれば、リーダーさえ調整すればアジングからシーバスあたりまで十分釣りになってしまいます。この点はベイトリールにない強みです。

しかし決定的な弱点があります。それはローター・ベイルアームの破損リスクです。現代のスピニングリールはローター周りがギリギリまで軽量化されています。ハンドルは外せば何とかなりますが、ベイルアームは簡単には外せません。ですので、カバンの中にスピニングリールを放り込む恐ろしさは容易に想像できるかと思います。ハードケースにでも入れない限りこの問題は解決できませんが、そもそもが大きいスピニングリールをケースに入れるとかなり嵩張ります。

一方、ベイトリールはこれまで汎用性に難がありました。扱えるウエイトの守備範囲がスピニングに比べて狭く、またそもそも超軽量リグのキャストは快適ではありませんでした。20年前なら、携行リールとしてベイトは選択肢に上げにくい存在だったといえます。

しかし現在は、軽量リグのキャスタビリティが大幅に向上し、くわえてカスタムスプールの一般化によって1台で様々なウエイトに対応できるリールが登場してきています。こうなってくると、スピニングにはないコンパクトさ、突起物の少なさ、分解整備の容易さといったメリットが活きてきます。カバーさえかけておけば、カバンの中でもトラブルになる可能性は低く、嵩張りません。ちょっとした注油や洗浄ならすぐ行えます。今、携行リールを1台に絞れと言われたら、私はベイトリール(+替スプール)を推します。

なお、スピンキャストは高品質な機種の少なさと大きさ、フライリールは汎用性の乏しさから厳しい印象です。

では、具体的にどんなリールが向いているか、実際に使用している中からオススメをご紹介しましょう。

ダイワ×30mm径×替スプールという解 スティーズCT

カスタムしまくりの画像で申し訳ないですが、スティーズCTをはじめとしたダイワCT機は大変オススメです。何が良いかというと、30mmというスプール径の汎用性と剛性感です。

純正深溝スプールであれば、太めのPEラインを巻いてリーダー25lbに2ozビッグベイトといった釣りも何とかできるくらいの剛性感があります。それなのに、フィネス向けのカスタムスプールを入れてあげれば1gキャストも平気でこなします。これは30mm径という絶妙さと、ダイワならではのスプール互換性がなせる技です。更に言えば、スプールシャフトレス機が多いので替えスプールの携行もコンパクトで容易です。これほど優れたシリーズは他にありません。敢えて弱点を挙げるならば絶対的な飛距離ですが、携行リールにそこは求めませんし、釣りに十分な飛距離は出ます。

2026年には、シルバーウルフCTというSSマグフォースブレーキ機が誕生しました。まだ試していませんが、抜群の汎用性と飛距離を有しているということで、これにカスタムフィネススプールが出たら携行リールの決定版となるかもしれません。他にもソルティストBFなど、ソルト向けPE対応30mm径リールが多くラインナップされており、ダイワは携行リールとしての魅力に溢れていますね。

海外からの伏兵 LOONGZE B100、70、50系

数年前からリール界隈を騒がせているLOONGZE製リールですが、実はかなりの携行リール向け特性を有しています。

まずコンパクトさ。丸型もロープロも、国産メーカーに比べてかなりコンパクトです。B50系に至っては上記画像のような小ささです。

それでいてフルアルミマシンカットフレームと徹底したガタ排除により、剛性感は十分です。

スプール径は100番が34mm、70番が30mm、50番が28mmと設定されており、いずれも純正の時点でかなり軽量でそこそこのラインキャパがあります。そのおかげでどの機種も汎用性が高く、色々な釣りがこなせます。海外からの思わぬ伏兵です。

カスタム前提ならこんなのも…

既に二世代前となった初代アルデバランBFS系、そしてその派生機種である13ステファーノをご存知でしょうか。この頃のアルデバランBFSは、コアフィットボディと銘打った独特の構造を持っており、横幅がギリギリまで狭められています。更にステファーノは、Xドラグ&Sタービンハンドルというハンドル取り付け位置をボディに寄せる機構が採用されています。これを活かして、ステファーノのボディにアルデバランのスプールとブレーキ周りを移植したキャスティング仕様としました。更にハンドルはアベイルのオフセットハンドルをシングル化して、特注の5本スポークドラグノブと共に装着。極限まで全体をナロー&コンパクト化しました。携行時の小ささと安心感も素晴らしいですし、使っていても掌への収まり感が気持ち良いリールです。こんなハンドルでも、ナロー化の恩恵もあってガッシリ巻くことができます。

先述の通りダイワ機はスプール互換性による汎用性の高さが魅力ですが、アルデバランは社外スプールも豊富で、幅広スプールと遠心ブレーキ特有の伸びがありながら様々なルアーに対応します。フィネス機といえどシマノらしい剛性感もあって、かなり幅広い釣りに対応します。再現するのが難しい仕様ではありますが、これにしかない魅力と実用性が詰まった1台です。

こちらもフルカスタム機、アンバサダー4601C DDL Imaeです。アンバサダーはスプール径が大きく、またフレームも大きく重たいので携行向けとは言い難いのですが、カスタムによりここまで軽量化ができます。またスプールはAmo社の軽量モデルとなっており、マグ遠心Wブレーキと併用して3g程度から実用域です。ここまで手を入れれば、意外なまでの汎用性があります。どうせならカッコいいタックルで遊びたい!そんな想いに応えてくれるのがアンバサダーです。工具不要でギアを確認することができ、ベアリングに起因するトラブルが少ないメンテナンス性も魅力です。なおカスタム費用は考えてはいけません。

その他、ダイワ以外でカスタム前提なら現行メタニウム、ゼノンなども面白いリールです。社外フィネススプールを組み込むと下限域がかなり広がりますのでオススメです。32〜34mm径スプールは30mm径にない伸びやかさが良く、社外スプールなら軽量リグにもかなり対応してくれます。変わり種では、12アンタレスのアベイルスプールなんかも意外と下限が広く楽しいリールでした。

ま、個人的には18バンタムが永遠の最愛ですけどね…。

https://gautraman.com/bantammgl-custom/

カスタム内容としては、スプールだけでなく、ステファーノに搭載したようなシングルハンドルに可能性を感じています。突起物を減らすことができますからね。

これはフォロワーの方に製作頂いた高剛性ショートシングルハンドル。短くても力強く巻けます。

スピニングだったらオールドが意外とアリ

スピニングリールは、突起物の仕舞い方さえ解決すれば本来は優れた選択肢です。ここでオールドスピニングリールに目を向けてみます。オールドスピニングでは、例えば大森製作所製の機種はハンドルの折り畳み機構にくわえて、ベイルアームまで畳める機種が存在します。そもそもその年代のスピニングリールは、構造上ローターが丈夫でコンパクトなため、これらなら携行に対する不安も解消されます。性能はどうかって?以下に挙げるようなリールなら意外なほど普通に使えます。メンテナンスさえしていればドラグもスムーズですし、サイズに対する剛性感については現代のリールよりも優れてさえいます。

大森製作所 マイクロ7 CS ハンドル&ベイル折り畳み状態
同じく大森製作所 オートベールミニ
マイコンウルトラSS

大森製作所ばかり挙げてしまいましたが、好きなんですよね。見ての通りこれら機種は全てハンドル&ベイル折り畳み機構があり、ローター自体も大変丈夫です。ついでにスプールもワンタッチ着脱式ですので、替えスプールがあればライン変更も一瞬です。コンパクトながら剛性感もあり、携行リールとして現代機を凌駕する素晴らしいモノたちです。

ラインは基本的にPE+リーダーで用途に合わせる

ラインは個人的に本線PEほぼ一択です。1号前後のPEを巻いて、リーダーで魚種や用途に合わせれば、かなりの汎用性を発揮してくれます。ベイトリールではスプールの軽量化による下限の拡大という恩恵もあり、スピニングリールでも細くて強いラインを巻いた方が汎用性は高まります。

↓アップデートが必要な古い記事ですが、ざっくりとロングリーダーのセッティングについて解説しています。↓

https://gautraman.com/bait-pe-long-leader/


今回は釣り具のミニマル化に向けたリール選定について語りました。まぁ最終的には「好きなリールを使え!」なのかもしれません。理詰めよりも楽しさの方が大切です。トーナメントに行くためのタックルではありませんから。好きならそれを上手くパッキングして、それに合う釣りをすればいいだけの話です。テレスコ好きにはスピンキャスト好きも多い印象があります。実用面で強くオススメはできませんが、気楽な釣りに似合う選択肢なのでそういう意味では良いチョイスです。

次回はその他のタックル類、そしてルアー選定について続けていきます!

2 thoughts on “モバイルタックル論①携行に適したリールとは”
  1. とても参考になります。
    沖縄から県外に遠征に行く際にパックロッド(特にテレスコ)を検討していました。ベイトリールはあまり得意ではないですがメリットが大きいのであれば練習する価値があるなと感じます。 ブログ更新楽しみにしています!ありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA