【依頼品】仕舞23cmテレスコ厨二デザインアジ＆トラウトベイトロッド

2021年3月31日ロッド作品

さて、今回は小技小物カスタムをご覧頂いた方より新たなご依頼を頂きました。

TwitterのDMでやり取りさせて頂いたところ、なんと高校生さんでした！学生のお金が持つ重みは、社会人のソレとは違います。少なくない額をお預け頂くということでこちらも気合が入ります。

主なご要望は以下の通り

◎エリアトラウト（縦釣り主体）とアジングをメインに、携帯して色んな用途で使いたい
◎厨二的デザイン、BMWに使われるトワイライトパープルを入れてほしい
◎高感度かつ柔軟な使用感
◎予算内でできるだけ高性能
◎レングスは5ft以上ほしい

仕様検討・ギミック

エリア用とアジング用の兼用となると、ふつうはかなり調子が異なりますが、今回はエリアが縦釣り主体ということであまり無理なく兼用できそうです。エリアの巻き主体なら小技小物の硬調も考えましたが、悩んだ結果いつもの超硬をベースとしました。

穂先はやはりチタンです。超硬の張りを活かしつつ、チタンの重みで竿を曲げていきます。グラスながら小技小物は感度にも優れていますので、その点は心配なし。悩ましいのはレングスです。5ft以上に仕上げるにはどこかを延長する必要があるわけですが、穂先を延ばすのは難しく、単にグリップ延長をしてしまえば仕舞寸が伸びてしまいます。結論として、感度重視の構造にしつつ、後付けのグリップ伸縮機構を作ることにしました。

ガイドはC-IMとTC-IMの定番最高峰ガイドをかなり攻め込んで削り、仕舞寸を稼ぎます。IM系は削り込んでも接着強度が出るのでライトゲームなら何ら不安はありません。

チタンティップは仕舞寸を犠牲にしない、かつ操作性が保たれるギリギリの18cm仕様(コミ部長さ除く)。先径は0.6mm。かなり穂先が柔らかいですが、急テーパーなのでブランク本体との繋がりも違和感ないギリギリに収まっています。ご依頼主様からお話を伺っていると、オイカワなどの雑魚釣りも想定されており、そういう釣りにも適応します。さすがに#1ガイド(トップガイドの次)は遊動式にしましたが、他は全て玉口に固定しています。

続いてグリップ部ですが、カーボンパイプをテレスコ状に継ぎ足すギミックを製作しました。

バット部のネジ部分を切断流用し、これをカーボンパイプに接着。そして小技小物の文字が入るバット側のピース外径と、カーボンパイプ内径を合わせていき、その上からグリップ形状を成形していきます。

このギミックにより、リールシートはブランクにアーバーなしでマウントでき、感度にも貢献します。

ショートグリップながら縦釣りでの使用が多いため、穂先が自然と上向きになるようなバランスを目指しました。

リールシート直下の握り部は軽くなるよう薄いコルクで成形。力を抜いても保持しやすく、掌との接触面積を増やせるよう、太めの台形状に。

延長部はエポキシ系パテを実際に握って型取り。デザインのアクセントにもなりつつ、適度なバランサーの役目を果たします。エンド一ヶ所にマスが集中するより違和感なく操作できるようにしたい拘りです。硬質で感度も良いです。

コスメ

オーダーは厨ニ感バリバリ＆テーマになる車両があるというもの。テーマとなるBMWトワイライトパープルはこんな色。なかなかド派手な色ですね！

これは以前にキャンディ塗装で作った色が近かったのでそれをご指定頂きましたが、せっかくなので試したい塗料がありました。ご相談の上、失敗したらごめんなさいで使わせて頂くことに(^_^;)

ShowUp!さんの新塗料、reAL chromeとsputter chromeです。クローム系塗料は色々な種類が出ていますが、リアルクロームのウリは、①下地をあまり問わず１液で吹ける、②アルミ粒子なので銀粒子の塗料より経年変化しにくい、③塗膜がそこそこ強い、④専用のウレタンクリアが吹ける、⑤キャンディ塗装のベースシルバーにもなる、というものです。特に釣り具用途としては④が素晴らしく、多くのクローム風塗料がクリアコートで曇ってしまうところ、これはどうかと試してみたかったのです。

というわけで早速試します。リールシートは市販フィネス用途最高峰のデジーノDRCS。DRCSはカービン樹脂製でクリアコート済ですので、そのまま軽く磨いてリアルクロームを吹き付けてみます。おぉ…いいぞ…。ただ下地処理はもう少ししたほうがよかったかな？40℃くらいで強制乾燥の後、専用クリアを２回、その後市販２液ウレタンで仕上コート。