先日、つり人2026年1月号に私のインタビュー記事が掲載されました。そこでは主に感度とバランスについてインタビューを受けたのですが、正直うまく説明できていなかったり、話し言葉で説明したものが記事になっているので理解しにくかったりしていると思います。今回はその中でも「バランス」について、アジングロッドに限定せずタックル全般でより深く掘り下げてみましょう。
SNSやプロの方々の記事を拝見していると、タックルの自重とバランスについて「軽さは正義!」「いやいやバランスが大事!」などと様々な主張がなされています。私もこれまで様々なパターンで竿を組みながら仮説検証をして参りました。例えば5ft前後の竿でいえば、最も軽い竿で自重14g、最も重い竿で132gという約10倍の振れ幅。バランスについても、完全な先重り、勝手に穂先が持ち上がるほどのリアヘビー、バランサーたっぷり、エンドにほぼ何もつけないブランクむき出し、むき出しかつ完全バランス等々…。そしてそれらに様々なリールを合わせて試せば試すほど、正解は1つではないなと思わされました。しかし基本的な考え方は整理されてきたと感じます。
そもそも、自重とバランスに注目する見方自体が正しいのでしょうか。なぜ人によって主張が違うのでしょうか。どうやったら最適なタックル構成を実現できるのでしょうか。それらが解析できれば、ロッドビルディングはもっと面白くなります。
現時点での、私のタックルにおける自重とバランスの考え方をまとめます。今回も予備校講師ノリで語ってみましょう。(苦笑)
↓予備校講師ノリで語るシリーズ
竿のトルク論争に終止符を。トルク感の正体を予備校講師ノリで考える。
予備校講師シリーズ補講:竿のファイト時における性能を物理で考える
タックルをシーソーに置き換えて考える
それじゃあ今日の講義を始めよう!テーマは「タックルの自重とバランスについて」だ。巷じゃあ色んな持論が展開されてるな。ま、俺も同じく持論を展開するだけだがな(苦笑)。
まず大前提として、俺は釣りの動作や負荷によって理想的な自重やバランスは変わると思っている。全釣りに当てはまる唯一無二の答えなんて無いというわけだ。そしてだな、タックルの重心・バランスは取れていれば良いわけじゃなく、どこにどれくらいの質量が配置されてつくられたバランスなのかがメチャクチャ重要なんだわ。だいたいの場合、この質量配置が無視されて持論が述べられてると思う。俺なりに、基本的な考え方と状況別の適したセッティングを説明してみるぜ。
まず重心・バランスについての基本的な考え方だ。モノの物理的な性質を考えるときは、考えやすいように簡略化した模型で考えるとよい。モデル化ってやつだ。実際にやってみようか。リール付のルアータックルにおいて、一番重たいのはふつうリールだな。そしてロッドはリールの前後に直線状に伸びていて、ふつう穂先側の方が大幅に長く、穂先ほど細く(軽く)なっている。そのような構成で、人はリール付近を握って保持(固定)し、動かす。つまりルアータックルは、左右で長さと太さが違い、支点付近が特に重たいシーソーのようなものと捉えられる。ベイトリールはリールよりやや竿尻側を持つが、手首を返すような操作をする場合はその位置がシーソーの支点となる。スピニングではほぼリールの位置を持つことになるから、リールの位置がほぼそのまま支点だ。スピニングの場合はフットより下にボディがあるから、本当は重心位置と支点は一致しないんだが、今回の議論ではいったん無視しよう。その話は、ベイトとスピニングの操作性の違いに関わる話だ。さらに言えば、ファイト時なんかは竿を持つ人の肘あたりが支点になることもあるだろうが、正直ファイト中にロッドバランスを気にすることはほぼないだろうから、これも無視しておこう。

見ての通り、これだとベイトもスピニングも穂先側に倒れてしまいそうだ。これでは、力を入れて穂先を持ち上げてやらないと適切な姿勢で竿を保持できない。だから竿尻にバランサーを入れて、穂先がむしろ持ち上がるように調整したり、特にベイトリールだとリールを重くして重心を手元に近づけようとしたりする。だが!それって本当にバランスが向上して使いやすくなっているのか?このシーソー型の模式図を使って掘り下げてみよう。
バランサーウェイトが与える影響
まずは静止状態でのバランスを考えようか。一般的に語られる「タックルバランス」とは、このことを指していると思う。このバランスを改善するために竿尻(グリップ)を少し重くしてあげよう。いわゆるバランサーウェイト。するとどうなるか。
模式図で、竿尻にウェイトを設置してみる。エンドに設置すれば、最低限のウェイトで済むな。それでもグリップ側は穂先側よりだいぶ短いので、シーソーを傾かせるにはそれなりの重さが必要だ。

いわゆる「穂先が自然に上を向く」状態になったな。竿を立てて操作する釣りは多いので、これは良い感じに見える。だが考えてみてほしい。この竿、動かしやすいか?
シーソーは、支点に近いところほど重さの影響が小さく、支点から遠いところほど少しの重さでも影響が大きく、動かしにくくなる。前の予備校講師シリーズで「モーメント」といっていたやつだ。モーメント(慣性モーメント)は、支点からの距離と重さ(質量)の掛け算で決まる。わかりにくかったら、単純にシーソーの動かしやすさで考えてくれ。子どもが遊んでいるシーソーの片側が浮いてしまうからって、浮いてしまう側にお父さんが乗ったらどうなる?子どもたちはシーソーを動かせなくなってしまうよな。
↓復習用記事
予備校講師シリーズ補講:竿のファイト時における性能を物理で考える
このような竿は、静止状態では楽に竿を立てる姿勢を取れるかもしれない。しかし、いざ動かそうとしたらどうなるか。穂先を上げる動作はいい、しかし穂先を下げる動作では、このウェイトは逆に悪さをする。穂先を下げる≒竿尻を持ち上げる動作なので、ウェイト無しの時より大きな力をくわえないと穂先は下がらない。穂先をひたすら上げ続けるなんて操作は不可能で、上げたら必ず下げる操作が入る。静止状態で楽に感じたバランスが、操作時は逆に余計な力を必要としてしまうんだ。なんなら、自然と上がったところから更に上げる操作にも余計な力が必要になってくる。これは自分の竿で試せるぞ。適当な板重りなんかを竿尻に巻いて振ってみてくれ。すぐわかると思う。

ついでに、静止状態では楽と言ったものの、その静止状態でも総重量は当然増加しているな。リールに比べれば影響は小さいとはいえ、竿尻へのウェイト追加は、わざわざタックルを重くする行為なのは間違いない。バランスは持ち方などでもある程度改善できるので、バランサーウェイトで静止状態のバランスをつくるのが本当に有効かどうか、よく考えないといけない。後述するが、別にバランサーを否定したいわけじゃあない。あまりに穂先側がもたれる竿は疲れるというのも間違いない。竿を持ち上げるときのモーメントが大きいわけだから、静止時も穂先を上げる操作時も力が必要になる。そんな時はバランサーが有効になる。この時点で重要なのは、ロッドの扱いやすさには、単に軽いとかバランスがとれているかとかだけでなく「どこがどれくらい重たいか」が関わってくるのだと理解することだ。そのうえで、各人の好みも存在してくるはずだ。詳しいところはこの後少しずつ掘り下げていくぞ。
ベイトリールを重たくすると、手元重心になる?
さて、「重たいベイトロッドには重たいベイトリールを合わせて手元重心にする」というやつ。これも良く言われるバランス改善策だが、果たして効果はあるだろうか。ベイトタックル版の模式図をいじってみよう。

よくある先重り感のあるベイトタックルだ。重心位置に赤い点を打ってある。これだと手の位置(支点)では穂先側にタックルが倒れ込もうとするのを感じ、重たく感じるだろう。そこでリールを重たいものに変更するとどうなるか。

たしかに重心位置が手元(支点)に近づいたな。どの程度近づくか、リールの位置まで達するか、というのはそのタックルによるから気にしなくていい。あくまで傾向の話だ。そしてどうだろう。どっちにしろ手を離したら穂先側に倒れてしまうな。重心は手元に近づきはするものの、先重り傾向なことは変わらないということだ。手の位置がリールよりやや後ろになる以上は、いくらリールを重たくしても穂先が上がることはない。基本的な傾向は変えられないんだ。しかも総重量は増している。
じゃあまったく意味がないのか?そうではない。まず、先重りの解消には至らないものの、傾向の改善はもちろん図れている。手元に重心が近づいた分の恩恵は得られている。また、手元付近に重量物が集まっていることにも意味がある。繰り返しになるが、重たいということは動かしにくい(慣性が大きい)ということだ。手元付近が重たく動かしにくくなる。それは手元のブレの抑制につながり、また相対的な穂先・竿尻の動かしやすさに繋がる。イメージとして、総重量が等しい2種類の模式図を用意した。上はロッドが重く、リールが軽い。下はリールが重く、ロッドは軽い。同じ総重量でもこの2つのタックルの操作感はかなり異なる。ベイトリールの重さというのは、バランスの傾向を変えることはないが、タックル全体の操作性を変える方法の1つであるということだ。

荷重変化の感度にも「どこがどれくらい重たいか」が効いてくる
次に、感度に関する影響を考えてみよう。ここでは「軽いほうがいい!」という話になりがちだが、それはいわゆる反響感度と言われるような要素でよく言われることだ。振動伝達の良さだな。だがこれは、必ずしも軽ければ響くわけじゃないと俺は思っている。このことはまた長ーい話になっちまうから、今は話から除外させてくれ。ここでいう感度は、いわゆる荷重変化だ。潮の重みの変化、魚のバイトによる重みの変化、そういった重みの変化を捉える能力のこと。これをバランスの観点から話してみるぜ。

上の2つは、どちらも完全に重心が手元に来ている、一般的に理想的とされるバランスだ。違いは、バランサーがあるかどうか。下は両端にバランサーを積んでいる。まぁ穂先にバランサーを積むやつは珍しいだろうが、そういうコンセプトの竿も無くはないし、ブランクやガイドが重ければ結局これに近い状態になる。このシーソーはどちらの方が動かしやすい?さすがにわかるな、もちろん上だ。どちらの竿も「バランスがいい竿」と呼ばれるだろうが、操作感や荷重変化に対する応答性はまったく違うんだ。
荷重変化の感知能力は、竿の曲がりを無視して考えれば「シーソーの動かしやすさ」だといえる。シーソーをより軽い力で動かすことができれば、より小さな荷重変化を捉えることができる。もう少し正確に言えば、慣性モーメントを小さくすることで、小さな入力で先端が動くようになる。バランスがとれているかを見るだけではダメなんだ。
荷重変化感知の要素については竿の曲がりも大きく影響するから、シーソー理論だけでは言えない。それでもタックル構成を考える時に、単にバランスがとれているかだけでなく、「どこがどれくらい重たいか」を意識してみると、設計思想や性能が見えてくるかもしれないぞ。
バランサーや重さは悪?
ここまで話すと、やはりバランサーウェイトは百害あって一利なし!重いリールは無駄!と言っているように聞こえるかもしれないが、そうではないぞ。その人がやる釣りのタックルの大きさや、動作、魚の性質などで有効な配置は変わってくる。ここからはいくつかの例を挙げて、俺が考えるシーン別の理想的なタックルバランスを説明しよう。
アジング・エリアトラウト・ライトゲーム
これらの釣りは、1g未満の超軽量ルアーを使って、微妙な荷重変化(ルアーの存在感、潮の重みの変化、バイトによる重みの変化)を捉えるような、極めて繊細な釣りだ。なので、荷重変化の感度は極限まで高めたい。すると、例えばこのような構成になる。
全長は状況によって長くした方がいい場合もあるから一概には言えないが、その場合でも極力慣性モーメントを抑えて荷重変化に敏感に応答させることを目指す。すると穂先側も竿尻側も、実用的な範囲で極力軽く、短くすることでなるべく竿が動きやすい状態(慣性モーメントが小さい状態)をつくるのが良いことになる。もちろんリールも軽くしたい。単に全体が軽いということも、支えるための余分な力を小さくできることに繋がるので、微小な変化を感じ取りやすくなる。
そしてバランスについてだが、ここには俺なりの考え方がある。さっき話した通り、無理に穂先を持ち上げる必要はない。常に竿を動かさず立てっぱなしというなら話は別だが、このジャンルでそんな使い方をする人は限定的だろう。むしろ俺はちょっと穂先が下がるようなバランスがベストだと思っている。これは十分以上にタックル総重量が軽いという前提つきだが、荷重変化を感じ取るためには「姿勢を安定させ、かつ無負荷状態でもわずかに掌に重みを感じる状態」というのがベストだと考えている。そもそもタックルが重いとこれも変わってくるんだが、昨今の軽いタックルであれば少~しだけ前下がりにして下から支えるように保持してあげれば、手元が不要にブレることなく、かつ常にわずかな重みを受けていられる。これが完全ゼロバランスだと、優しく保持したときに竿が安定しなかったり、荷重が抜ける変化に対してそもそも抜ける荷重がないことで感じにくかったりする。100が101や99になる変化は感じにくい。0が1になる変化はとても感じやすいだろうが、逆に0が-1になる変化は感じられない。だって0も-1も無負荷ってことだから。なので、2が3や1になるような状態をつくりたいということ。この点については好みもあると思うが、単に好き嫌いだけで判断せずに、どうセッティングしたらどう変わるか、を意識しておけると竿選びや竿作りが楽しいと思うぞ。



↑この竿は俺の作例だ。4’9″でロッド重量は15.5g、合わせるリールは109g、合計125gという超軽量タックルだ。仕舞29cmのテレスコで実現してるから褒めてやってくれ(笑)こいつは単に軽量を狙ったわけじゃなく、このバランス理論を踏まえて製作している。有効ブランクス長は漁港アジングやエリアトラウトで実用的なギリギリまで短くし、竿尻側も徹底的に軽くしている。本当はグリップ長も短くした方が慣性モーメントはさらに小さくできるが、ここまで軽ければ問題なし。モーメントを抑えながら長さを確保できていることで、適度な操作のしやすさ・自由度を残している。リールシートは上側固定・下側遊動の半テネシーグリップだが、フラット面をしっかり作る形状にしている。そして重心はわずかな前下がり。これにより、写真のように「乗せるだけ」の保持姿勢がとれる。安定しつつも、わずかな荷重変化に反応するセッティングを目指したというわけだ。なおこの前下がりとは、ラインテンションによる初期荷重も考慮するくらい繊細な世界だ。
縦釣り・長尺竿
完全に竿を立てて行う釣りではどうだろうか。この場合は一概には言えないものの、バランサー付の穂先が上がるバランスも良いと考えている。バスフィッシングでのいわゆる「撃ちモノ」や、バーチカルジギングなどだ。また長尺竿では、どうしても強い先重りによって竿を保持する手が辛いというのはある。その場合もバランサーを使うのは有効だろう。ただし竿をどれだけ動かすか、竿をどう持つか、どの程度繊細か(荷重変化を感じる必要性)、そういった要素によってどの程度のバランスに落とし込むかは変わってくる。またここで紹介していく各シーン全てに言えることだが、理想的な方向性はあっても、あまり極端な状態にするとトータルで使いにくくなる。市販の竿はそのあたり考えられていて、ほどほどの調整で万人が使いやすくしている。俺は尖った設計が好きだけど、市販品のそういった思想も価値があるんだぜ。
またバランサーを使う方向性といっても、例えばバーチカルジギングだったらバランサーの重さよりもグリップの長さによってバランスを整えた方が、動かしやすさとバランスの落としどころが作りやすいだろう。竿尻が極端に重い(動きにくい)竿というのは、操作時にとても違和感がある。動かす支点から遠い竿尻が重いと、せっかく動かそうとしてるのに竿尻がついてこないような感覚になるわけだ。同様に長尺竿であれば、グリップエンドのみにバランサーを集中させるより、グリップ全体を適度に重くした方が、不自然に竿尻だけ動きにくいということがなくて好きだな。そもそも完全バランスまで必要なこともあまりないし、そこまでバランサー入れたら使いにくい。ま、これは好みの世界だとは思うよ。

巻きモノ
バスフィッシングなどで行われる、いわゆる「巻きモノ」では、比較的重ためのロッドに重ためのリールを組み合わせることが多い。なんならバランサーも積極的に使われる。ロードランナーにカルカッタコンクエストという黄金コンビが有名だな。これまでの説明で、重たいことにメリットを感じないやつもいるかもしれない。だが、この組み合わせは非常に理に適っているんだ。説明しよう。
巻きモノは、基本的には激しいロッド操作を行わない。その代わり、比較的大きな引き抵抗に耐えながら一定速度を保って巻き続ける。この操作においては、タックルがなるべく動かない方がいいんだ。穂先も、竿尻も、保持するリール付近も、ブレずに安定しているほうが安定して巻き続けられる。特に注目したいのはリール、つまり支点付近の重さだ。ここがブレにくくなると、巻きの動作が安定する。旧き良き巻きモノタックルが表現しているのは、巻き操作に集中するためのタックルバランスなんだ。もちろん重たいことのデメリットはあるが、ロッドを激しく振るわけではないのであまり問題にならない。ついでに言えばグラスや低弾性カーボンが好まれる釣りでもあるので、そもそも重ためなブランクスに対する辻褄も合っている。重心位置をどの程度手元に近づけるかについては、竿をどんな姿勢で保持するかによるな。さっき挙げたロードランナーは、バランサー数を変えられるようになっている。リールとバランサーで、自分の操作に合った状態に調整できるというわけだ。

ボンバダ ヤジロベエ理論
最後に、怪魚ロッドで有名なボンバダ社で提唱されている「ヤジロベエ理論」についてだ。これはあくまで俺なりの解釈だから、間違っていたらすまんな(笑)。ヤジロベエ理論の基本構成は、低弾性の超ショートブランクス・バランサーも使った重たいロンググリップ・リールを装着した状態でほぼ手元バランス、となっている。このセッティングは、大型魚を狙って激しいジャーキングを繰り返すという釣りに対してとても合理的だ。手元バランスと超ショートブランクスにより、ジャーク操作でよく竿が動き、軽快な操作感を得られる。しかし、ただそれだけならバランスがとれる範囲で軽くした方がいいと思うかもしれない。しかしボンバダロッドには一定の質量が与えられており、グリップエンドも重い。これはカウンターウェイト的な効果を狙っているものと考えている。ジャーク操作は、リズミカルにシーソーを動かしまくるような動作だ。そして動かすルアーはそれなりに引き抵抗も大きく、かなりの入力を与えないとキレのあるアクションが出せない。そこで竿尻が重いということは、ひとたび動かしてしまえば、強い慣性によってまるでハンマーのように入力をアシストしてくれる。スナップや肘裏の反動を一度効かせて強くジャークを入れたら、慣性が勢いよくルアーを叩き、今度はその反動で元の位置に帰ってくる。そこでもう一度慣性を活かしながらリズミカルに力を入れて・抜いて、と繰り返していくことで、少ない力で強いアクションを起こせるんだ。慣性を活かすには、リズミカルに操作するのがポイント。おまけに大型魚に耐える高強度ブランクスとのバランスもとれるな。万能ではないが、意図がはっきりした良い設計思想だと思う。

この構成は、同じジャーク操作でもリズムが不規則なジャークをする人には慣性が邪魔になる。そういうジャークをする人は軽いタックルの方が思い通りに操作しやすいだろう。こういうのが好みの話だ。
俺はヤジロベエの考え方を参考にしつつ、軽量ルアーの操作感や荷重変化感度、振動伝達感度も両立できないかと考えて下のようなロッドを組んだことがある。これも応用編として参考にしてみてくれ。
【依頼品】5’3″⇔4’7″可変ショートロッドに込めたバランス理論・感度理論
最後は人の調整でどうにでもなる。
さぁ、まとめとともに補足だ。ここまで一貫して、タックルをシーソーに置き換えて考えてきた。この考え方で無視してきた点が一つある。それは支点の位置だ。スピニングではリールの位置、ベイトではリールの少し後ろに固定してきたが、これは持ち方で調整できることだ。スピニングは特に、1フィンガーから4フィンガーまで様々な持ち方ができる。これでかなり支点位置を調整できるので、バランスに関しては自分の操作に合わせて変えることが可能だ。そして、その調整した支点もあくまで手首による操作を想定した場合の支点だ。肘を支点にして竿を動かせば、支点はシーソー竿尻側をはみだしてはるか先になる。こうなればタックルの重心なんてほとんど関係なくなる(この場合は、軽く動かしたいならタックル全体を軽く、フッキングやジャークなどで強い入力を与えたければ全体を重く、みたいな考え方をしていくことになる。)

いずれにせよ、自分の操作の癖なども影響してくるし、ある程度は人間側で調整ができる。今日の話は考え方のベースとして理解してもらって、正解は無限にあるということだ。釣り具っておもしろいな!
さ、今日の講義おしまい!いつも通り、意見や批評もお待ちしてるぜ!またな!